上腕骨外側上顆炎を中心とした肘外側痛の診察 ~触診で圧痛を探す

Q:では、次の質問。肘周囲の圧痛点は、どこを見られますか?

O先生のA: 質問の肘の圧痛ですが、エコーを使い出してから、残念ながら圧痛を見る数は減っているかもしれません。そこそこで、エコーを当ててしまします。いつもは、患者さんに一番痛い部位を押さえてもらいます。上腕骨外側上顆よりも近位や遠位を痛がる方が結構おられます。その後に肘の関節裂隙の腫脹と後方関節の圧痛を見ます。その後は橈骨頭と上腕骨小頭周辺の圧痛、滑車の圧痛、上腕二頭筋の遠位方向への圧痛、後内側上顆周辺です。エコーもきっちり見るときは、その様にアプローチしていると思います。

私のA:
エコーで探すのは、効率が悪いので、まず責任硬結 責任圧痛部位を探します。

そのために、まずは、運動時痛で、伸展時にどのへん、屈曲回外時に、このへんとか聞いておいて、その周辺で圧痛を探します。

一応、ざっと圧痛みていきます。

広く見るなら、上腕三頭筋の中央、肘関節後方で、外側、中央、内側
外側から、外側上顆頂点、その遠位の外側裂隙、中央から前方、後方、それぞれECRB, ECU,BRに対応します。
その遠位5cmでおそらくECRBのmotor pointまたは回外筋 その2cm遠位でECRL motor point または回外筋
外側上顆の頭側で、筋皮神経あるいは上腕筋motor point
外側の関節裂隙を肘前面で触り、さらに回内筋、内側上顆へ向かいFCUの両頭、内側上顆の近位、遠位前面、尺骨神経あたりまで
圧痛をみます。

意外に、外側痛が主訴でも内側も圧痛があることがあります。

この所見から、病態を考えます。

決して、外側痛=外側上顆炎、というあてはめをしてはいけませんね。

伝統的な病名が複数並ぶ、複数病態がありうると思います。所見から病態を考える。

圧痛部位を確定して、そこだけエコー、注射。効率よいですよ。

外側上顆では、筋起始の剥離
その遠位では、橈骨神経周囲の筋膜の剥離が基本ですね。

A: 改めて、nkteの方を見てみました。 これは現在でも通用する内容ですね。 >生活指導やテニスエルボーバンドを使用す...

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