松山先生
ご無沙汰しています。
Eテレで、先生の脊柱管狭窄症の番組を見ての感想です。
一番感動したのが、先生ご自身で、体操を実演されたこと。
ほとんどの場合、理学療法士がでてきたりしますので。
ほとんどの整形外科医がリハビリを知らない中で、先生は、自分でリハメニューを作れる人だということがわかります。
現在の整形外科の標準的治療の総説でした。
30年の開業生活からの意見を申し上げます。
きっと、先生なら聞く耳をもたれているかと思います。
NSAIDについては、炎症の有無をどう判断するのか?
私は運動時痛と、夕方の痛みで判断しています。
一般には漫然とした処方がみられます。
PGE1については、プロサイリンを使っていた時代も私にはありましたが、現在は全く使用していません。
脊柱管狭窄の本体は、神経浮腫と、骨靭帯椎間板と姿勢による物理的狭窄なので、病態から考えても、血液成分や血管壁の影響は小さいと言わざるとえない。
それに変わって、漢方の牛車腎気丸、桂枝茯苓丸などが、浮腫には有効です。
プレガバリン、サインバルタ、トラマールなども、薬理的には病態には関係なく、下降性疼痛抑制系に関してはノイロトロピンは使いますが、ぴりぴりじんじんといった、いわゆる痺れ感には、全くもちいていません。
ここでも、牛車腎気丸、疎経活血湯といった、漢方の圧倒的勝利です。
漢方は研修医時代から興味を持ち、その延長で、最近?のリリカを初めとする慢性疼痛治療薬はいっさい使っていません。
運動療法については、膝抱えは私も指導しますが、上体は極力曲げません。
腹筋運動でも、上体を曲げることは、頸椎や胸椎の屈曲の力がかかるため、椎間板への負担の懸念が拭えないからです。
背筋運動の、軽い腰の持ち上げは、私も現在も指導を時にします。
しかし、これも、最近は立位での体操、座位での体操を主体としています。
人の動きの本質は、四つ這いでなく、歩行だと思うからです。
必要悪としての座位、立位であれば、その姿勢で体操ができることが望ましいと。
何より、運動療法以前に、歩き方、立ち方の指導が、物理学的に最重要です。それをリハでは最初に行います。
私の書いたKindleのアドレスを貼っておきます。
1. 頭で肩こりを治す
頸椎病変に至る前に、肩こりのうちに治してほしいという思いからです。
上体まわし という体操が書かれています。
5. 脊柱管狭窄症を治すために最も大事なこと
https://clinic.katohseikei.com/canal-stenosis/
6. ガラパゴス整形外科医の腰痛予防のための楽々!体幹トレーニング : いつまで、ツライ体幹トレーニングをするんですか?
https://www.ryopursuitorthop.com/preventive-exercise-for-lbp/
最後に、神経根ブロックや仙骨硬膜外ブロックは、現在全くしていません。
もっと末梢のエコー下ハイドロリリースで全て治せています。
腰下肢痛の、痛みの病態分析がまだまだ必要です。