腱鞘炎

Q:まずは、ばね指の注射について教えて下さい。私はオーソドックスに腱を出して交差法でMP皮腺上より1%キシロカイン0.5〜1mlにリンデロン懸濁液を1A入れてしております27G短針)これだと、腱鞘に確実に入れることは可能ですがその後の広がりは運任せになっております。腱に沿って平行法でされる方、平行法でひっかかりのある浅層から深層までされる方、腱に垂直で平行法、交差法、中にはエコーを下から当てて腱に垂直や背側より腱に注射される方など、結構様々な方法があるようです。注射する部位によっても異なるかもしれませんが、先生はどうされておられますか?

A:腱鞘内注射は、MP皮線上で皮膚に垂直に刺入しています。
リンデロン水溶性と、キシロ1cc。
ほとんどブラインドですが、最近は時にエコー使用。

腱鞘内注射の適応としては、
軽度以上の弾発。
曲がりきらない時。
痛みの強い時。

最近は初診時、曲がりきらない時は、注射前にも他動的に屈伸、癒着を外すように試みます。
注射して、pop!と、腱鞘内で閉塞部が通過して癒着が外れることも期待します。
注射後、指を多動屈伸して、腱の癒着を外し、滑動の改善を期待します。

デケルバンでは手関節の掌屈背屈橈屈尺屈をします。

それとは別に、5倍希釈キシロで、腱鞘周囲の剥離をすることもあります。
圧痛部位をよく確認し、エコー下で。
腱の弾発はわずかなのに、痛みが強い場合です。
腱鞘周囲、骨間筋などとの癒着が原因かと考えています。

開業当初、インテバンクリーム+パラフィン+超音波+注射+手術でした。

注射しすぎて、当方が両中指腱鞘炎になり、右手には、左手で私が刺入、看護師にシリンジを押して貰うということもしました。

その後、NSAID内服の使用、さらに漢方(52, 25, 125のいずれか)の使用で、注射自体も激減しました。
つまり、炎症や浮腫をとるためには腱鞘内注射でなくても可能だということでしょうね。
ツムラ52は、研修医時代に関節リウマチの方に使用して好評でした。

確かに麻黄入りで、28と同様なのですが、一応高血圧の人には注意ですが

ほとんどの場合、問題はおきません。

関節炎の腫脹、腱鞘炎には使えます。
しゃくやくかんぞうも入っているので動きの痛みにも有効です。
麻黄は、拡張した血管を締めて、腫脹を減らすものと思っています。

手掌に針刺すのは結構痛いですからね。そこで背側から、という発想がでるのでしょうけど。

腱鞘内注射も、点数としては安すぎですね。

治療の最初に指の使い方の話をします。

特定の指に力を入れる癖を指摘して、癖を意識させる。
指先で、指先から、力を使わない。MPからの屈曲を使う。IPは極力伸ばして。

デケルバンでは、手の尺屈位での使用をやめさせます。

腱鞘炎周辺の雑談でした。

追伸です。

浮腫の減る午後に、指を屈伸して弾発を起こし、10回ほど、腱をしごくことを指導します。
腱の癒着を予防すること、腱の肥厚、段差を減らし、腱鞘を拡大するため。

重症で、3週に1度注射、とかしますが、時間のない方、焦る方には、手術の選択もお話し、他院を紹介します。

ブラインドで腱鞘内注射する時は、腱の近位か遠位で腱鞘に触れ、腱鞘内に薬液が入り、圧が上がるかを診ながらしています。なんと言っても、腱鞘内注射の頻度も激減しています。

指の腱鞘炎、まだありました。

これは元東北大教授の国分先生に聞いたのですが

指1本ずつのMP伸展ストレッチ

指はいつも曲げますが、あまり反らせません。
手掌側は硬くなりがちです。

同様に、足趾も底屈ストレッチを、モートン病の人などに指導します。

お返事:ありがとうございました。非常に参考になりました。注射前,注射後のフォローは特に、目から鱗状態です。

Q:私も漢方は多用しております。ツムラの漢方勉強会に頻繁に参加し、私なりに常用しております。ツムラの25,125もよく使います。使ってよく効...

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