末梢部位のCRPS

最近、こんな経験をしました。

隣り合う2本の指のDIP関節の伸筋腱皮下断裂です。
4週PIP関節から伸展位(やや過伸展位)で固定。
4週から固定除去、夜間のみ固定でリハ開始しました。

ここまでは、さほど痛みもなく経過していました。
また、DIP関節も、伸展位に保たれ、順調であるという判断でした。

1週経過した時、腫れて、ギプスに指が入らない状態になり、
2本の指、両方共、軽度腫脹、発赤がありました。痛みは軽い圧痛程度。

すぐにCRPSを考え、ノイロトロピン処方。
夜間固定は、アルミシーネに変更しました。

さらに1週経過した時点で、発赤腫脹は変化なく、ステロイドを処方しました。

このような小さな部位でのCRPSは初めて経験しました。

また、経過の中で、強い痛みもなく、痛み、あるいは痛覚過敏体質そのものが、CRPS発症と深く関係しないように思いました。

太い神経や、大きな血腫はありませんが、細い神経はDIP関節周辺にあり、断裂伸筋腱からは、おそらく背側に出血は広がったはず。従って、神経と血腫が、発症の本質に関わるであろう推定は、今回も、矛盾していないと思いました。ただ、血腫といっても、皮下出血程度の小さな出血でもCRPSは起こりうる、つまり、通常の採血やちょっとした怪我でもCRPSは起こりうると考えたほうがよさそうです。

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