整復困難な肘内障 その整復法

整復困難な肘内障

今日は、整復困難な肘内障、来ました。

1歳11ヶ月の女の子。
3度めの肘内障。今日は右。

1回目は父に手を引っ張られて右に発症。
2回目は更衣の時、手を引っ張って発症。
今日は、朝起きたら発症。
今回は、手が自分の体の下に入り、寝返りで起こったと推測します。

今日は接骨院で処置。戻ったと言われ、湿布をしてありましたが、動かさないと来院。

お母さんに抱かれた状態で、右肘は屈曲しています。
通常は、伸展回内位にあることが多いのですが。

整復されたが、痛みが残っているパターン?と思い、

屈曲90度で回内、回外して、再度、回外しながら屈曲してみました。特にクリックもなく、
しかし、ゴム様のグニャッとした感触でした。

肘内障のエコー所見、Jサイン

整復されているようですね、と言いながら、エコーで確認しようと思い、
エコーで見ると、Jサイン。
橈骨頭の輪郭に沿い、丸く高信号が入り込み、確かにJに見える。

あ、整復されてないんだ。と思い、

「回内させ、遠位に手を引っ張って、しばらく待ってから」、屈曲回外したらclick!

整復成功!

整復後は、肘の曲げもさきほどより、深く曲げています。

ここから重要

回内、遠位に手を引っ張ることで、輪状靭帯が嵌入して、ロックしていたのが、
ロックする前の状態になり、靭帯が整復されやすくなったのだと思います。

肘内障発症のメカニズム

考えてみれば、肘内障は、手を引っ張られ、
橈骨頭が輪状靭帯から遠位に外れ、
引っ張るのをやめるから、橈骨頭が近位へ戻り、
輪状靭帯が嵌入するメカニズムだと思います。

輪状靭帯が、近位へ動くわけではない。

嵌入が強ければ、そのまま屈曲回外してもうまくいかない場合があることは容易に理解できます。

従って、嵌入前の状態にするために、再度、遠位へ手を引っ張ることは合目的的だと思います。

先日、徹底的に情報を調べておいてよかったと思いました。
それが、次回の患者さんに生きます。

再び、整復しにくい、肘内障がありました。2歳前の女の子。寝ていて、手が下になっていて発症。

屈曲回外で、ぐにゃっとした抵抗感があり、整復感なし。

そこでいったん伸展回内で牽引し(再度発症と同じことをして、大きく外しなおす)、再度屈曲回外でクリックあり。

肘内障の整復法

肘内障整復のために、回内法がいいのか、回外法がいいのか、という議論がありました。

回内法は、回内屈曲なんでしょうか?
単に伸展位で回内するのか、と思っていました。

回内法は、回内したまま屈曲するようです。

肘内障は、手が牽引され、橈骨頭が遠位へ移動、輪状靭帯が残り、戻った橈骨頭と上腕骨遠位にはまり込む
が病態ですね。

伸展回内位から屈曲回外して靭帯を押し出す:この場合は回外の動きで靭帯を「外へ」押し出す

回内屈曲して押し出す:この場合は、屈曲の力で「前へ」押し出す、

が、整復メカニズムかと考えます。

それらがうまく行かないときは、靭帯がしっかりはまり込んでいる、ので、再度牽引して、はまりこみをゆるめてやり、上記整復操作をするのがよさそう、ということになりますね。

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