最近20年の喫煙率の低下でがん患者が大幅に減ったか?

最近20年の喫煙率の低下で、がん患者が大幅に減ったか?

知人からこのような質問を受けました。

確かに、成人喫煙率は、平成元年と令和元年を比較すると半減している。

http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html

一方、がん死亡数、がん罹患数は増加を続けています。

がん死亡数

男女とも、がんの死亡数は増加し続けている。

2015年のがん死亡数は、1985年の約2倍。

がん死亡数の増加の主な原因は人口の高齢化。

がん罹患数(全国推計値)

男女とも、がんの罹患数は1985年以降増加し続けている。

2012年のがん罹患数は1985年の約2.5倍。

がん罹患数の増加の主な原因は人口の高齢化。

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html

喫煙と関係の深いとされている肺がんについては

肺がんの罹患数(新たに診断された人数)は年々増加しており、2015年には約116000人(男性 約78000人、女性 約38000人)が肺がんと診断されている。男性の方が女性の約2倍多く、年齢があがるほど罹患率も高くなり、60歳以降になると急激に増加する。

肺がん患者さんの喫煙率は、ある調査によると肺がんの男性患者さんで55.0%、女性患者さんで16.1%と、男女ともにがんでない人に比べて高い傾向が見られる。過去の喫煙経験も含めた喫煙率は男性患者さんの方が女性患者さんよりも3倍以上高い。

https://oshiete-gan.jp/lung/about/statistic/

これらからまとめると

がんの罹患率、死亡数は増加している。主な原因は高齢化。

肺がんの増加は加齢と,過去の喫煙経験を含めた喫煙が影響している。

高齢化,高齢者の増加が、喫煙率の低下よりも,がん患者の増加に影響している。

喫煙率の低下の効果発現は、タイムラグがあると考えられる。

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